40歳からのブログ MSWの日常

ソーシャルワーカー備忘録。雑記。旅行記。軽く福祉。

【医療ソーシャルワーカー】特別訪問看護指示書について

近頃、やっとクリニックに慣れてきて、寂しい気持ちも少し減ってきました。

さっき、訪問看護師さん*1から、来週で前医からでている特別訪問看護指示書*2が明日で切れるから、以降は当クリニックから特指示を発行してもらいたいと言われました。

訪問看護指示書とは

訪問看護指示書というのは、介護保険でも医療保険でもとりあえず、ないと訪看さんが患者さんのご自宅に行くことができないので、発行するのは当たり前なんだけど、最高6ヶ月分までかけるのです。

ただし、これ発行するとお金がとれるもんだから、たいていのクリニックは一か月に1回は新しい訪問看護指示書は発行されます。 この調整もMSWの仕事だったりします。 しかし、特指示については結構、頭を悩ますものなんです。

特別訪問看護指示書

特指示は退院後、自宅や医療の環境調整として発行していいことになっています。 あ、特指示って、14日に限り毎日訪問看護が家に来ることができるって指示書です。月1回発行可能。もちろん条件があります。

  • がんのターミナル患者
  • 神経難病患者(厚生労働省が定めている病気)
  • 人工呼吸器の装着患者
  • 急性増悪の状態
  • 気管切開状態、 重度の褥瘡患者
  • 退院直後(さっき私が話したのはココ)

介護保険ではなく医療保険でしか行えないのがミソです。

負担割合が介護保険も1割で医療保険も1割だといいんですけど、医療保険で3割負担の人だと結構お金がとられます。 お金のことはまぁ家族がいいと言えばいいんですけど・・・。

高額療養費制度というものもあるので、家族に確認は必要だと思います。

私が悩んだところ

話しを戻して・・・特指示を引き継ぐ・・・え?何で? 相談員はまず、そこで悩みます。なので私もなんで?って思って特指示と訪問看護指示書両方見ました。

蜂窩織炎*3で弾性包帯使ってて。その管理、指導。以上。

となると、退院後だから「退院直後」ってことで今回特指示がでているんだ。多分。

そんな想像を働かせます。 ふーん。

ただ、その後、未だ治ってないというていで特指示を出す。もしくは急性増悪状態という意味合いで特指示をだす。 こんなところ。

特指示は月1回が基本

ただ、特指示って基本月1回しか出せないものなんです。 面倒だけど。

  • 週4回以上の訪問看護、訪問診療
  • 1日に複数回の訪問看護
  • 2か所のステーションの併用
  • 複数名の訪問看護 
  • 長時間の訪問看護
  • 訪問看護が医療保険になる  
  • グループホーム,特定施設への訪問看護

こんなことができます。 ただ・・・・。ずっと特指示を出すことができないのです。 私が知っている限り、

特指示月2回の条件
  • 真皮に達する褥瘡
  • 気管カニューレを使ってる

人だったら、月2回出すことができます。

(4) 特別訪問看護指示加算は、患者の主治医が、診療に基づき、急性増悪、終末期、退院直 後等の事由により、週4回以上の頻回の指定訪問看護を一時的に当該患者に対して行う必 要性を認めた場合であって、当該患者の同意を得て、別紙様式 18 を参考に作成した特別 訪問看護指示書を、当該患者が選定する訪問看護ステーションに対して交付した場合に、 1月に1回(別に厚生労働大臣が定める者については2回)を限度として算定する。ここ でいう頻回の訪問看護を一時的に行う必要性とは、恒常的な頻回の訪問看護の必要性では なく、状態の変化等で日常行っている訪問看護の回数では対応できない場合であること。 また、その理由等については、特別訪問看護指示書に記載すること。 なお、当該頻回の指定訪問看護は、当該特別の指示に係る診療の日から 14 日以内に限 り実施するものであること。 【厚生労働大臣が定める者】 ア 気管カニューレを使用している状態にある者 イ 以下の(イ)又は(ロ)のいずれかの真皮を越える褥瘡の状態にある者 (イ) NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類Ⅲ度又はⅣ度 (ロ) DESIGN-R 分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4又は D5 白本から引用。

 だから、やっぱり、この患者さんは特指示を継続して出すことができない、 そもそも特指示をうちから出すのも一回だけになるんじゃないかな。 私より訪看さんのほうが詳しいので、どうするの?って聞いてみようと思っています。

昔の失敗談

かつての職場の看護師さんが勝手に、褥瘡を真皮に達する褥瘡だと判断して医師がOK出す前に訪看さんに「特指示だしますね」といったことがありました。

ちなみにその医師とは、かつての私のパートナーで非常にコンプライアンス重視、融通聞かない、というかあえて融通はきかせない。そでの下をもらったとしてもあとで知らんぷりするタイプの医師でした。

www.makuharu.com

自分の許可なく特指示のやり取りをしたと医師は激怒し、「特指示は出せない。なぜなら、それは褥瘡ではなく【潰瘍】だから!」と言い始めました。

挙句「褥瘡と潰瘍の区別もできないとはありえない!!!」

完全、看護師さんに今でならパワハラともとれる発言をして大騒ぎになりました。

結果的に思うこと・それは医師が指示出すんだよ

医師の指示が絶対なので結果、特指示がでることはなく私が訪看さんに謝る倒すということがありました。 なので、なれ合いで気楽に「出しますよ~」という人いますけど、それ言っていいのはお医者さんだけです。

結局、特指示を出し続ける為には褥瘡の深いのでも作ってくれないと無理なんじゃないかな・・・でも訪看さんは裏技でも知ってるのかもしれないので聞いてみようと思っています。 裏技がわかったらまた書きます。 愚痴を含めた「特別訪問看護指示書」のお話でした。

*1:訪問看護とは、看護師がお宅に訪問して、その方の病気や障がいに応じた看護を行うこと。主治医が訪問看護指示書を発行し、病院と同じような医療処置も行うことができます。訪看さんとの略すことが多いです。

*2:文字通り、特別がつくので発行に条件があります。以下、特指示

*3:皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい細菌感染症です。 患部の皮膚に発赤、痛み、圧痛がみられるほか、発熱や悪寒が生じたり、より重篤な症状が現れたりすることもあります。 この感染症の治療には抗菌薬が必要です。MSD Manualsより引用