私が、この、エス・自我・超自我、の棲み分けにとても苦労しました。頭の回転が悪かったからだけど。ソーシャルワーカーとしての職業柄、理解しておかなければならないこの自我心理学。
試験対策という意味で簡単にまとめてみました。また、「エゴイスト」=利己主義といった風に批判的に使う場合の「エゴ」とはなんとなく違うんだということを説明したいと思います。これさえ理解していれば、試験では回答できます。また、自我心理学についての簡単な知識になると思います。
始まりは、有名な精神科医シグムント・フロイトです。
彼の考えた、自我概念ですが、構造論と呼ばれ、エス(イド)・自我(エゴ)・超自我(スーパーエゴ)という3つの心的装置が関与するとされています。
自我が行う機能
現実検討機能:自分の内側に起こっていることと外界に起こっていることを区別する
適応機能:適切な形での欲動表出
欲動が意識に上ろうとした時兆候として不安が生じ、超自我の働きで不快・罪悪感などが湧き上がってくる。それらの不安は、自我に防御規制を働かせるように促しています。
エス・自我・超自我ってとってもこんがらがる
試験では、
文章が書かれていて、エス・自我・超自我、どれですか?
なんて問題が出てきたりします。
それは、以下をしっかりと理解することで解消されます。
エス
本来から人格に備わっているので、本能や心的エネルギーの貯蔵庫として考えられている。エスには緊張状態を作り出す欲動がある。快楽原則に従ってうありたい放題することに専念する。英語で言うならWANT。快楽原則に従う。
自我
エスはやりたい放題で欲動を現実化させるために頑張っている。でも、それをしてしまうと社会では生きてはいけない。自我では適切な場面がくるまでエスを抑える。パーソナリティの操縦をしている。現実原理に従う。
超自我
パーソナリティ構造の中でも自我から最後に発達してくる。劣等感や恥を感じない人は超自我が乏しい。自我理想を担う。英語で言うならMUST。しなければならない。
本当はもう少し、詳細に書きたいところですが、試験対策としてはあまり多くの知識があるより、問題の正当を導き出すことが大事なので、この3つの区別ができればいいと私は思っています。
- したい=エス
- しなければならない=超自我
- 以外は=自我
これで試験は切り抜けられると思います。問題で試してみてください。
過去問を紐解いておきます
問題13
フロイト(Freud,S.)の精神分析理論に基づく自己洞察に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
- 「援助者は他者に親切でなければならない・・・」という心のつぶやきは,自我の機能による。
- 「タバコが吸いたい・・・」という心のつぶやきは,超自我の機能による。
- 「この人は認知症を患っているのかもしれない・・・」という心のつぶやきは,自我の機能による。
- 「人を傷つけてはならない・・・」という心のつぶやきは,自我の機能による。
- 「この人はほめると元気になる人だなぁ・・・」という心のつぶやきは,イド(エス)の機能による。
正解は3です。
「1」は、しなければならない=MUSTについて話をしています。と言うことは、「超自我」についての話をしているから間違い。
「2」だけども、〜したい=WANTについての話をしています。だったらこれはエスについての話。もうここまできたらだいたい答えはわかってきます。
「3」は正解だから一旦飛ばして
「4」についてだけど、してはならない(裏を返せば〜しなければならない)=MUSTだから、これは「超自我」。
「5」は、本能など関係なく現実の判断について話しているので「自我」。MUSTでもWANTでもない。現状原理。
そして同様に「3」も、MUSTでもWANTでもなく現実の話をしているので「自我」と考えていいです。
私は「MUST」・「WANT」・それ以外という覚え方をしました。なんせ、受験まで時間がないので、詳細は受かってからでもいいだろうよ・・・そんな感じで覚えました。
参考になれば・・・と思います。今年出るかどうか知らないけど、すみません。
まとめ
「エス」というものはやりたい放題の自分の欲求そのものです。
そしてそれが外界にでようとするとき、それって大丈夫かな〜なんて調整を図るのが「自我」。結構、大変。「自我そのものは意識されない」とフロイトは言っています。自我は無意識と覚えておきましょう。
「超自我」も無意識的なものですが、全部が無意識というわけでもなくその人がもっているキャラなどが影響したりします。しっかりしなきゃと社会的行動をとろうとするものです。
なんとなく浅い知識ですが、フロイトのいう「自我」は精神分析学においてであるので、哲学的な「自我」、とくにエゴイズムとかエゴイストとかそうした話とは少し話が変わってくるのでそこは要注意です。