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生理心理学とはどんなお話しなのか ざっくりと・・・

生理心理学とは、脳とこころの関係を整理しようとする学問である。

生物の構造的および機能的変化を調べるときは、系統発生、個体発生という2つの見方に沿 って考えることが大切である。

ここでは、系統発生的視点から、人間の脳を他の 脊椎動物と比較して生理学的な構造からみた特徴を考える。動物の脳は、脳の 中心部にあって、生命活動維持に必要な脳幹、本能を司る大脳辺縁系、新皮質 から構成される。

人間は、系統発生的に新皮質の占める部分が他の高等哺乳動物に比して著しく発達しているという特徴をもつ。どのように脳が増大していったかを説明する一つの仮説がコラム重複仮説である。

ブロードマンの脳地図では、組織構造上の相 違から大脳皮質を52の領域に区分した。こうした脳の構造の違いも人間の脳の 特徴のひとつである。 また、人間のみが「話し言葉」、「書き言葉」という2種類の言語を有するという大きな特徴をもつ。

言語機能は左脳に偏っているが、人間の脳は左右非対称で右 利きであるのに右の脳の損傷によって失語症が生じた場合を交差性失語と呼び 区別している。

右脳だけでも成長は可能であるが、その代行の臨界期は4~5歳と いわれている。

発語に関係する部位である運動性言語野、言語の意味や概念に関わる感覚性 言語野が知られている。これらの部位が損傷されると、ブローカー失語症、ウェル ニッケ失語症が発症する。その他にも超皮質性運動失語は自発的発話がほとんどなく、超皮質性感覚は聴覚的理解が損なわれる。

失語症といっても様々な型が存在する。

伝道失語は、ブローカー領野と、ウェルニッケ領野を連絡している弓状 束が切断されており、聴覚的理解、自発発語には問題がないものの他の機能が障害される。 他に脳の特定部位が損傷されることで生じる失認症や失行症がある。

視覚失認には、人の顔がわからなくなる相貌失認がある。 右脳と左脳は脳梁と呼ばれる神経の束でつながれている。脳梁が切断されてし まうと互いの連絡はとれなくなり、行動にも悪影響がでる。これも人間ならではの脳の特徴といえる。