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5回過去問やったら受かるでしょう話 社会福祉士過去問の解き方(精神保健福祉士もおんなじだよ)

学校の先生が「過去問3回」解けば受かるといったそうです。私は5回以上ではないかと思っています。3回でもいいんですけど、3回で試験受かるほど覚えますかね。

多分、supernov8さんが現役大学生だからそう言ってるんでしょうね。

ですので、私が実際に「過去問5回」解けば受かるといった意味を説明したいと思います。

実際ただ解けばいいというものではありません

当たり前の話ですが、ただ問題を解けばいいわけではありません。

もう社会福祉士の過去問を捨ててしまったので、精神保健福祉士の過去問で説明をしていきたいと思います。

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これは中央法規の過去問の1ページです。

  1. 問題
  2. ポイント
  3. 解説

この順番です。中央法規はこの順で1問イチページです。

大事なのは3です。大事なことなので2回言います。

大事なのは3.解説です。

先生、ここを言い忘れていませんか?

ただし、テキストはとりあえずワークブックでよいです。購入をお勧めします。あとパソコンかスマホも常備です。わからないところはワークブックかインターネットですぐ調べましょう。

では、具体的に私の「解く」とはどういうことか

一回目は単に問題を読んで解きましょう

例:問題 

国際ソーシャルワーカー連盟 (IFSW) のソーシャルワークの定義 (2000) に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。 

  1. 「定義」において, 人権と人間の福利 (ウェルビーイング) がソーシャルワークの拠り所とする基盤であると記されている。
  2. 「解説」において, ソーシャルワーカーは, 個人, 家族, コミュニティ野人々の生活を変革するために, 人々の良きパートナーであると記されている。
  3. 「価値」において, ソーシャルワークは博愛主義と社会改良主義の理想から生まれたと記されている。
  4. 「理論」において長きにわたる先人達の経験に基づく知識体系にその方法論の基礎を置くと記されている。
  5. 「実践」において, ソーシャルワーク実践の優先順位は, 文化的, 歴史的及び社会経済的条件によって相違が認められることが記されている。

 私:(もちろん覚えてない・・・)

テキストを読んでいてもたいてい間違えます。本来ここで5割正解したいと現時点で思うのはやめましょう。

次、これを全教科心が折れても繰り返します。

一回目は一度全部やみくもに解きます。心が折れます。心が強い人は2回やっても結構です。でも、私は一回やればよいと思います。

重要なのはここからです。

ポイントはどこかに書き出しておきましょう。

この問題のポイント

国際ソーシャルワーカー連盟 (IFSW) のソーシャルワークの定義 (2000)における正しい理解が求められている。ソーシャルワークとは何か、定義や価値観などのテーマにそった具体的な文言やその内容が問われている。

と明記されています。言い換えれば、「国際ソーシャルワーカー連盟 (IFSW) のソーシャルワークの定義 (2000)*1における正しい理解が求められている。ソーシャルワークとは何か、定義や価値観などのテーマにそった具体的な文言やその内容が問われている。」は品をかえ、再度出題される可能性があります。とくに、これ基礎だからね。

大事なのはここからです

本当に大事だからもう1回言っておきます。都合3回目。

大事なのは3.解説です。

私も、上記写真に線引きをしています。実はこの写真の問題はたいして難しい問題ではないのであまり線引きをしていません。しかし、難しい問題は付箋を貼り、線引きは多色ペンを使っています。そして、線をひいたところは丸暗記です。

ポイントのあとに問題に対して解説が載っています。

 

  1. ×ソーシャルワークの定義においては、ソーシャルワークの拠り所とする基盤とされているのは人権と社会正義の原理である。人間の福利 (ウェルビーイング)については、ソーシャルワーク専門職が目指すものとしてその増進としてあげられている。ソーシャルワーク専門職はその社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人々のエンパワーメントと解放を促していると明記されている。
  2. ×「解説」においてはソーシャルワーカーは、問題解決と変革に焦点を置き、個人, 家族, コミュニティの人びとの生活にとっての、 変革をもたらす「仲介者」であるろ記されている。変革するための人々の良きパートナではない。
  3. ×「価値」において、ソーシャルワークは人道主義と民主主義の理想から生まれ育ってきたと記載されている。人道主義とは人間性を重んじ、人類の福祉向上を目指す立場であり、民主主義とは自由や平等といった人権を基とした方向性である。選択肢にある博愛主義とは差異を超え人類が広く愛し合うべきであるとする主義である。社会改良主義とは資本主義社会の矛盾や欠陥を改良し、問題点を解決していこうとする立場である。
  4. ×「理論」においては、ソーシャルワークは特にソーシャルワークの文脈でとらえて意味のある、地方の土着の知識を含む、調査研究と実践評価から導かれた実証に基づく知識体系に、その方法論の基礎を置くと記されている。社会の状況は地域、時代、出来事によってさまざまであり、先人たちの経験に基づく知識体系に基礎を置くものではない。
  5. 「実践」において、ソーシャルワークは介入の範囲や介入の技法において、幅広い全体的な視点を普遍的にもつものであるが、ソーシャルワーカー実践での優先順位は。文化的、歴史的、社会的経済条件によって、さらに国や時代によって異なると記されている。

ただ解いているだけでは意味がないというのは、重要なのはこの解説を人に説明できるようになるまで問題を解かないと合格圏内に安心して滞在できないからです。

テキスト丸暗記の人は過去問3回といておけばだいたい大丈夫でしょう。ですが、過去問3回解けば大丈夫だと思って実際に3回繰り返してみたけど不合格だったという人は多いと思います。

ちなみに青い大文字は私が線を引いた箇所です。覚えました。

ソーシャルワーカー定義(この問題の場合何を理解すればよいのか)

定義

ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を促していく。 ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。 人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。

解説

様ざまな形態をもって行われるソーシャルワークは、人びととその環境の間の多様で複雑な相互作用に働きかける。 その使命は、すべての人びとが、彼らのもつ可能性を十分に発展させ、その生活を豊かなものにし、かつ、機能不全を防ぐことができるようにすることである。 専門職としてのソーシャルワークが焦点を置くのは、問題解決と変革である。 従ってこの意味で、ソーシャルワーカーは、社会においての、かつ、ソーシャルワーカーが支援する個人、家族、コミュニティの人びとの生活にとっての、変革をもたらす仲介者である。 ソーシャルワークは、価値、理論、および実践が相互に関連しあうシステムである。

価値

ソーシャルワークは、人道主義と民主主義の理想から生まれ育ってきたのであって、 その職業上の価値は、すべての人間が平等であること、 価値ある存在であること、そして、尊厳を有していることを認めて、 これを尊重することに基盤を置いている。 ソーシャルワーク実践は、1世紀余り前のその起源以来、人間のニーズを充足し、人間の潜在能力を開発することに焦点を置いてきた。 人権と社会正義は、ソーシャルワークの活動に対し、これを動機づけ、正当化する根拠を与える。 ソーシャルワーク専門職は、不利益を被っている人びとと連帯して、貧困を軽減することに努め、 また、傷つきやすく抑圧されている人びとを解放して社会的包含(ソーシャル・インクルージョン)を促進するよう努力する。 ソーシャルワークの諸価値は、この専門職の、各国別並びに国際的な倫理綱領として具体的に表現されている。

理論

ソーシャルワークは、ソーシャルワークの文脈でとらえて意味のある、地方の土着の知識を含む、 調査研究と実践評価から導かれた実証に基づく知識体系に、その方法論の基礎を置く。 ソーシャルワークは、人間と環境の間の相互作用の複雑さを認識しており、 また、人びとの能力は、その相互作用が人びとに働きかける様ざまな力―それには、生体・心理社会的要因が含まれる―によって影響を受けながらも、 同時にその力を変えることができることを認識している。 ソーシャルワーク専門職は、複雑な状況を分析し、 かつ、個人、組織、社会、さらに文化の変革を促すために、人間の発達と行動、および社会システムに関する理論を活用する。

実践

ソーシャルワークは、社会に存在する障壁、不平等および不公正に働きかけて取り組む。 そして、日常の個人的問題や社会的問題だけでなく、危機と緊急事態にも対応する。 ソーシャルワークは、人と環境についての全体論的なとらえ方に焦点を合わせた様ざまな技能、技術、および活動を利用する。 ソーシャルワークによる介入の範囲は、主として個人に焦点を置いた心理社会的プロセスから社会政策、社会計画および社会開発への参画にまで及ぶ。 この中には、人びとがコミュニティの中でサービスや社会資源を利用できるように援助する努力だけでなく、 カウンセリング、臨床ソーシャルワーク、グループワーク、社会教育ワークおよび家族への援助や家族療法までも含まれる。 ソーシャルワークの介入には、さらに、 施設機関の運営、コミュニティ・オーガニゼーション、社会政策および経済開発に影響を及ぼす社会的・政治的活動に携わることも含まれる。 ソーシャルワークのこの全体論的な視点は、普遍的なものであるが、 ソーシャルワーク実践での優先順位は、文化的、歴史的、および社会経済的条件の違いにより、国や時代によって異なってくるであろう。

ココ重要:覚えなくていいんです

赤い太文字はこの問題のがバツではなくマルだったらどこを載せるかを示したものです。

私は、これらの問題全ての解説を重点的に覚えました。そして、×を〇として説明できるようにしました。そこまでに至る回数が

問題を解いた回数になります。

この問題を解いたと言いたかったらどうしたらいいのか

 

  1. 「定義」において, 人権と人間の福利 (ウェルビーイング) がソーシャルワークの拠り所とする基盤であると記されている。
  2. 「解説」において, ソーシャルワーカーは, 個人, 家族, コミュニティの人々の生活を変革するために, 人々の良きパートナーであると記されている。
  3. 「価値」において, ソーシャルワークは博愛主義と社会改良主義の理想から生まれたと記されている。
  4. 「理論」において長きにわたる先人達の経験に基づく知識体系にその方法論の基礎を置くと記されている。
  5. 「実践」において, ソーシャルワーク実践の優先順位は, 文化的, 歴史的及び社会経済的条件によって相違が認められることが記されている。

という文章を

  1. 「定義」において, 人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤であると記されている。
  2. 「解説」において, ソーシャルワーカーは, 個人, 家族, コミュニティの人々の生活を変革するために, 変革をもたらす仲介者であると記されている。
  3. 「価値」において, ソーシャルワークは人道主義と民主主義の理想から生まれそだってきたと記されている。
  4. 「理論」において地方の土着の知識を含む、 調査研究と実践評価から導かれた実証に基づく知識体系に、その方法論の基礎を置くと記されている。
  5. 「実践」において, ソーシャルワーク実践の優先順位は, 文化的, 歴史的及び社会経済的条件によって相違が認められることが記されている。

と言い換えることができるようになれば完璧です。でも、まぁそんなことは難しいのですが、私はそれができるまで過去問3年分を完璧に行いました。

▼結果  

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これは精神保健福祉士を教科書テキストなしで過去問だけで受験したときのものです、解いた日にちを書いています。合計9回は解いています。問題全部、上記のやり方で解説の説明ができるまで解いたものです。

これは仕事をしているときに始めたものですから、10月1日から1月22日まで解いた日付が書かれています。

左はじの数は、単に問題の正解番号です。あまり意味はありません。

過去問そのものは、3回もすれば内容も答えも覚えてしまいます。問題11の答えは4!みたいに答えの番号を覚えてしまうのです。

でも、私たちが覚えるのは、問題の解説です。

supernov8さんからいただいた質問:同じ問題がでるわけないのに過去問をといても・・・

私もはじめそう思いました。しかし、それは社会福祉士第一回試験からの過去問を全部観てからいいましょう。作成者は人間です。どれだけ偉くても人間です。そして、29回もあれだけの試験を作る人の気持ちになってみてください。まったく全然新しい問題を作るのは新しい制度ができたときだけです。あとは手を変え品を変え努力奮闘してがんばって試験を作っているはずなのです。

冒頭でいったポイント

国際ソーシャルワーカー連盟 (IFSW) のソーシャルワークの定義 (2000)における正しい理解が求められている。ソーシャルワークとは何か、定義や価値観などのテーマにそった具体的な文言やその内容が問われている。

こうしたポイントはそれこそ品を変えて出題されてもおかしくありません。その代り同じ問題はもちろんでません。だけど、この内容を知っていれば解ける問題がでます。

同じ問題はでません。しかし、この解説を熟知していれば解ける問題がでているはずです。毎年出るかはわかりません。でも、数年に一度はでているはずです。

先生が過去問3回といったのは、3年くらいでこうした問題がでてくるという意味でいったのかもしれません。

そして、私も思います。過去問5回やると出題のくせみたいな作成者がなんて答えて欲しいのかなーんとなく肌でわかるようになるんですね。

ちなみに問題の作成者は確か数年で違う先生に変更になった気がします。だから、30年近く同じ先生たちが作ってるというわけではありません。あしからず。

そうしたことを踏まえての私のお勧め

過去問だけに頼るのであれば、最低10回は過去問を上記の状態になるまで解きまくる。

私は過去問5回と言いましたが、私は過去問だけではなく一問一答も利用していて、過去5年間の問題の解説ができるまで過去問と一問一答を繰り返しました。

そして忘れてほしくないのは、その必死時間は250時間です。

supernov8さんへ

現役大学生のsupernov8さんであれば、今からテキストをなんとなく読むことをお勧めします。今から覚えても忘れるので、暗記物をからのんびりはじめてください。自分がバカだから合格できないという不安も捨ててください。バカだから落ちるのではなく、勉強しないから落ちるのです。社会福祉士はバカでも受かるといわれることがあります。しかし、勉強しなければ絶対に受かりません。

そもそも一般人がソーシャルワーカーの国際定義なんて知ってるとは思えません。

福祉系の大学であれば基礎はできているはずです。できてなかったら、秋くらいから勉強すれば間に合います。アラフォーの私が250時間で合格していますから、それくらい勉強したら大丈夫でしょう。その代り、上記の方法で過去問は解いてください。

あとは、働きながら勉強している人向けに書かれていることを同じようにやってみてください。やれば受かる試験です。合格率30%だと言いますが、合格率60%以上の精神保健福祉士の試験のほうが私は難しく感じました。

最後にお願い

ココ最重要だからね!

多分これだけやったら合格すると思います。そして合格して出世してください。そして私を優しい待遇で雇ってください。なにとぞよろしくお願いいたします。最後にコビを売って終わりにしたいと思います。

急いで書いたので、誤字脱字やわかりづらい点があると思います。時間があるときに加筆しますが、できればご要望はツイッターで直接タイムラインに書き込むかしてくださる助かります。フォローだけだとこまめにツイッターを確認してないのです。わかる範囲でお答えします。その代り私、タイムライン愚痴が多いから私の人格は悪い前提でよろしくお願いします。

受験生は、ソーシャルワーカーを目指している時点で私たちソーシャルワーカーの仲間です。仲間同士、励ましあいませんか?そして迷える私を助けてください。頼りにしています。これからもよろしくお願いします。

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*1:※今は2014年7月に「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」が新たに採択されたので要チェックです