昨今、子どもは褒めて育てるという育児が主流のようですが、悪いことしても怒るのに躊躇してしまうというのは当たり前の世の中なのでしょうか。
「叩いてはいけない」「叱ってはいけない」「怒ってはいけない」これが現代のスタンダード、本当ですか?
それなら私の育児はダメパターンです。やっちゃいけないことを繰り返し口でいってもきかないときは加減はするけどパシッ!はありでしょ。だめなの?もちろん頭蓋骨をはじめとする骨の成長と言葉の理解が未熟であるときは叩いたらえらいことになるし怒っても無駄なのでパシッは1歳半過ぎが目安なのかと思います。
そもそも褒めて育てるって私はできなかった
私の子育ては10年以上前に始まりました。ハルさんは男の子です。今ではハルさんがいない人生なんてあり得ないし、夜、ハルさんが近くにいないと寂しくてなりません。ワガママなもので自分が旅行のときは寂しくありません。たまに寂しくなるときは自分の勝手な事情で旅行に行っているのにハルさんに電話です。私がハルさんにメンドくさいオンナ認定されてる理由のひとつです。
ハルさんが産まれた頃から、子供は褒めて育てるといった本があふれてきていたのですが、私自身そもそも褒めて育てて貰っていません。しつけは親から子へ連鎖する可能性が多いと思います。褒めて育てて貰えなかった私が褒めて育てる育児にこだわることは私(母親)のメンタル不安定につながります。実際無理でした。
言葉を理解できるころには(個人差はありますが1歳半に検診があるのでその時に言葉の理解のチェックがあるはずです。ハルさんは1歳ころにはある程度の指示理解があったと思います)、ダメなことをしたらダメだと叱っていました。遊んでて人を踏んづけてしまったときでも「気をつけましょうね」なんて笑顔はみせませんでした。人は踏んではいけません。自分より小さい子を突き飛ばしたりしたときは、安全は確保していてもそれ以上の強さでハルさんをパシーンです。1歳過ぎた頃、お菓子を投げ飛ばした時は思いっきり投げた手をパシーンです。
幼稚園にもなるとお友達とケンカなどをするわけです。ハルさんに正義があろうとも相手が泣いて心に傷を負うのではないかと想像できた場合は私もハルさんに言葉の暴力で対抗です。反省するのはこの辺り、やり過ぎたと思っています。
やられたらやり返すのではなく、やられたらこれだけ辛い思いをするんだということです。ダメなものはダメです。
我が家はご飯を食べるとき肘をテーブルについた瞬間、父親のハシで思いっきりアザがでるほどの強さで叩かれました。それは孫であるハルさんにも継承されました。
さすがに私もハシでパーン!はしませんが、即座に注意です。言うことかなかったら手をパシーンと叩いています。今は肘をついてご飯を食べたりはしないようになりました。
みんな頭を叩いてはいけないと言っていましたが、私の腰よりハルさんが大きくなるまでは頭をパコンパコン叩いていました。数えきれません。今なら確実に虐待とか言われるのかなぁと思います。頭を叩くのは今考えると良くなかったと反省しています。
ハルさんがどう思おうと相手が思ってしまったことが全てである
ということを言いつづけました。仮にハルさんがそんなつもりがないのに相手が泣いてしまった場合、ハルさんにはそんなつもりがなくてもハルさんがした行為により相手が傷ついた場合はその相手が感じたことが事実でありその事実に基づいて私に怒られることは今でも変わりません。
しかしちゃんと褒めないと親が痛い思いをすることもある
褒めることもそうそうなかったと思います。
ハルさん子猫をひろってきました そして私には怒られました
一度、捨て猫を拾ってきたことがありました。ハルさんが小学生の頃です。
「気軽に命をひろってくるな!」と怒ってうちで飼うことはできない、戻して来なさいと言ったことがありました。
なぜか絶賛されるハルさん
数日後、近所のママさんに「ハルさんは学校の全校朝礼で校長先生に名指して褒めたれて掲示板にも貼られていたよ。ハルさんって本当にすごいいい子よね。ママのしつけがいいのね。」と言われました。
日々、ハルさんとは格闘。しかも、褒めて育てるが推奨されているこの世の中、私のしつけがいいと言われるわけがありません。何が起きたのかわからず、ハルさんに事の真相を訪ねても答えません。私に怒られると思ったからです。そのあとまた違うママさんにまた褒められました。仕方なく、ママさんに何がそんなにすごいのか聞いてみました。
ハルさんのとった行動
猫が捨てられていたのは、梅雨の時期でした。ハルさんは私が一度言った言葉は撤回する人間ではないことを承知していたので、ハルさんは玄関の横のガスメーターのあたりで捨て猫を育てていたそうです。しかし、さすがにそこで私の目を盗んで育てることは不可能だと察したハルさんは、雨の中、毎日毎日、彼ら(そう1匹ではなく3匹)を箱に入れて近所の一軒家の玄関を叩き「猫をもらって貰えないか」と猫の里親さん探しをしていたそうです。迷惑な話だとは思いますが、これを自宅中心2キロ圏内、総当たりしたようです。
すると、その中の一軒のおうちの方が小学校の校長先生あてにクレームではなく賛美の手紙を送ったのだそうです。
雨の中ひたすら猫の里親を探すハルさんに姿に思ってくださるところがあったのでしょう。それはそれは、丁寧な手紙でした。しかもその内容は送り主の許可の元に学校公開されていたのです。
ママの威厳台無し
ママはかなり激しく捨て猫を拾うことをよしとしなかったのに世間様はそのハルさんの行為を賛美しました。私も教育方針としては、気軽に猫をひろってくるな!なのですが、学校では大絶賛されてしまっては私の威厳なんて跡形もなく消えてなくなりました。結果、2匹まで引き取り先が決まったものの1匹が手元に残りました。事情を聞いたハルパパさんが知人にお願いして最後の1匹を引き取ってもらうことになりました。ハルさんは「ニャ王」と命名しました。そして、私の親としての威厳は一時期なくなりました。
そもそも私は親としてもプライドを持っていないので、学校で賛美されても我が家的にはNGだよとバツ悪そうにハルさんに伝えました。
プライドはあまりないので、私は自分の過ちは早めに認めます
あとからよくよく話をきくと私の早とちりでハルさんに怒ってしまったりすることがあります。その場合は謝罪です。父に「親はめったに謝るものではない」とたまに怒られますが、どうもこれが私には無理です。私も幼い頃(なんで大人はよくて子供はダメなんだ!)と父親に殺意を抱いたこと数えきれません。なので、基本謝らないスタンスだけど、私ならここは非を認めて欲しかったであろうポイントについては謝罪していました。ハルさんも謝るという行為については、素直に非を認めていずれ社会にでたら、自分の非を的確に把握し上司部下に素直に謝れる人になって欲しいです。
褒めて育てられていないハルさんの現状
14年間褒められること4〜5回でしょうか。
公文で表彰されたとき
普通にえらい。
友達を庇ったとき
友達が自転車ではねられそうになったとき身体をはって助けようとしたとき(その代わりハルさんは怪我をしたので危ないことはするなと激怒したのち)
家事を当たり前のように手伝い始めたとき
本人には行っていませんがなかなか偉いと思います。本人が言うにはママは家事のできないオンナである。あながち間違っていません。観察力のあるハルさんです。
ドラゴンボール42巻を丸暗記したと言って、1巻から朗読し始めたとき
1巻で飽きてしまって、申し訳ないけど辞めて貰いました。またに1人で朗読している時があります。
あとは「すごいね!」「よく頑張ったね」など言ったことがあまりないと思います。
ハルさんの今のスペック
成績は中の中
昨年の通信簿で2が入り私に激怒されましたが、激怒の結果2が3になりました。シングルマザーで私のような低所得者には就学援助という制度があります。ひとり親家庭だからもらえるお金があります。
福祉制度に詳しい
私が怒るときたまに法律を持ち出すことがあるので何気に時事問題が私より詳しくなっています。そのうち言い負かされるのではないかと不安です。
友達はかなり多い
最近はみなさん塾にばかり行くのでなかなか友達と遊ぶことはできていませんが、広島に引っ越してしまった親友にいきなり会いに行くなど友情には厚いタイプのようです。
女性にたいしてかなり求めるものがひくい
ママがあまりに怒るときは勢いが激しいものですから、もれなく女の子はみんな穏やかに見えるそうです。ただし群れをなして女同士悪口を言い合うのは非常にみてて嫌だと、クラスの女子はみんな好きではないとのこと。多分ハルさんは年上の女性がタイプかもと思います。
お年寄りには激親切
ご近所でハルさんは人気者のようです。私が知らないご近所情報をハルさんは持っています。斜向かいの田中さん(仮)がこないだ入院したらしいと言ったことを知っていたりするので(あなたは民生委員ですか?)と思ったりします。
どうしてもイラっとするのは口答えの仕方
私がいけないのですが口答えの仕方が生意気すぎて気に入りません。そして、大人を馬鹿にしているような態度をとることが増えました。思春期に向けてもっとムカついてくるんだろうなと思います。やだなー。
あと学校の先生には嫌われるタイプ
本当に三者面談のときに怒られます、じんわり。私はそんなとき、もしかしたら発達障害かもしれませんと先生にいってしまうこともありました。ハルさんには発達障害がなんぞやと説明しました。実際、テストをしてみたところ発達障害でもなんでもありませんでしたが本当に先生に嫌われます。多分、痛いところをつくのだと思います。私もこんな教え子やだと思います。
あと、私がブログ書いてるとき、覗くの辞めて欲しい。しつけとは関係ないけど。
あと、我が子にこんなことを言いたくはないけど客観的に見るとブサイクな顔立ちをしていると思います。私のせいです、ごめんなさい。
私が思うに褒めて伸ばすことより大事なこと
親が賢くなるということ
育児本などのハウツー本に頼らないと子育てがてきない親にならなければよいと思います。参考に留めておけばよいのではないかと考えます。
そもそも自分の親やその周り、生きた教科書がいっぱいそのあたり無料で存在しています。そして、今まで自分が繰り返した過ちや失敗をどう子供に伝えていくのか。褒めて育てることを否定はしませんが、そういったハウツー本はそもそも根拠が書かれている本が少ないです。どうせ買うなら正しい情報を入手すべきです。育児本読むなら、エリクソンの発達課題*1でも学んだらいかがでしょう。ボウルビィ*2でも読んでおけと思います。
褒めて育てることと怒らないことはイコールではないと思います。ダメなものはダメ、よいものはよい。
正義は時代によって変わりますがせっかく戦争はダメという時代に生まれることができたのです。人の価値観はそれぞれですが、やっちゃいけないことはさほど変わりはないはずです。大事なことなので何度でも言います。
ダメなものはダメ。
子供を尊重すること
褒めることと尊重することも違うと思います。子供も自分の分身ではありますが1人の人間です。小学生から社会デビューをします。義務教育課程に入ります。なので小学生からは子供も以上大人未満として接していました。頼れるところは頼りますしハルさんの意見も尊重です。ハルさんの言動もむやみに怒ることは減りました。
私もある意味生きた見本です
とりあえず今の所、はたからみると褒めて育てられていないであろうハルさんは私からみて社会的に問題を起こさない子に育ちました。私の育児方針はとくにないし現在の育児論からみるとダメパターンなのかもしれません。
ただ、それでも14歳までは普通に生きています。あと10年したらツケがくるのかもしれませんが、今の所はハルさんに育てられている感もあるので、このままの状態で過ごしたいと思います。愛さえあれば、ほぼほぼオッケーと思っています。
簡単に言うなよ、愛なんて。いえいえ、愛が全てです。そういう時代に生まれてこれたことですから。
育児本に頼り過ぎないように、読むなら良書を読みましょうという話でした。
注意:やりすぎると児童虐待と思われて通報されてしまうので気をつけてください。
*1:ウィキペディアを見たらこれではわかりづらいと思ったので自分で調べてください。今度、ソーシャルワーカーさん向けの話でまとめて見ます
*2:愛着理論で有名な心理学者。愛着理論では、幼児の愛着行動は、ストレスのある状況で対象への親密さを求めるために行っていると考えられている。幼児は、生後6ヶ月頃より2歳頃までの期間、継続して幼児の養育者であり幼児と社会的相互作用を行い幼児に責任を持つような大人に対して愛着を示す。この時期の後半では、子供は、愛着の対象者(よく知っている大人)を安全基地として使うようになり、そこから探索行動を行い、またそこへ戻る。親の反応は、愛着行動の様式の発展を促す。そしてそれは、後年における内的作業モデルの形成を促し、個人の感情や、考えや、期待を作り上げる。離別への不安や、愛着の対象者が去った後の悲しみは、愛着行動を行う幼児にとって、正常で適応的な反応であると考えられている。こうした行動は、子供が生き延びる確率を高めるために生じたと考えられる。引用元:ウィキペディア。結構ただしい。