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【心理学】心理診断法のレポート 社会福祉士のテストに数年に一度くらいでてくるかもしれない 精神保健福祉士は絶対知っておくべきだと思う

心理検査とは、個人の能力や性格、適性などを測定する道具である。客観的に人間の個人差を明らかにする手続きを標準化とよび、内的条件や外的要因を統制する。

心理検査の歴史

心理検査の歴史は、19世紀により、ベゼルが天文台で観測時間を割り出す反応時間に個人差のあることを発見したことに始まった。

ヴントはこの反応時間の研究を最初の研究課題としてとりあげ、ゴールトンは個人差研究に取り組んだ。

キャッテルは、メンタルテストにより、心的過程の恒常性やその相互依存関係、環境的要因の影響などを発見できるのではないかと考えた。

エビングハウスが「文章完成法」で知能の測定を試みている。

20世紀に入り、ビネーにより知能検査が誕生しその後の改訂で精神年齢が導入された。次の改訂では、知能の優劣を精神年齢と生活年齢の差によって決めた。

ゴッダードはビネーの知能検査をアメリカに持ち帰った。

ユングは、自由連想法について講演し、アメリカ人はそれを犯罪の分野で役立つのではと期待した。

ターマンは知能指数を考案し、現在のビネー法知能検査の原型が完成した。

ロールシャッハは、インクのしくみを用いて人格診断をする最初の投影法検査を完成させた。

1920年代、グットイナフは、描画法の先駆けとなる人物描画検査を考案、ゲゼルは、幼児の発達目録を公表した。

心理検査の種類について

心理検査の種類は「能力検査」と「人格検査」である。

能力検査

能力検査は、集団式と個人式にわけることができ、集団式では、課題に文字を用いるかどうかでA型、B型と分かれている。個人式は臨床場面でよく用いられ、個人の知能水準を概観することに重きをおく「ビネー法」と、知能構造の特徴やそれを通して臨床診断にも役立てられることを目的とした「ウェクスラー法」の2種類がある。

人格検査

人格検査では測定法の違いにより、3種類の人格検査にわけられる。

  1. 質問紙法
    まず、質問紙である。検査理論に基づいて客観化の手続きが行われているので、実施方法も簡単で結果の処理も機械的にでき、他の資料とも比較できる利点がある。しかし、自己の性格特徴を内省的に評価させる自己評価法であるため、種々の自己防衛が働き、回答が歪みやすい。意識水準での人格特徴を反映するため、実施の際、被験者ができるだけ自己開示できる検査環境を整えることが重要である。よく用いられる検査としては矢田ギルフォード性格検査、MMIP、CMIなどがある。
  2. 作業検査法
    次に作業検査法であるが、これは一定の作業課題を与えて、そこに見られる作業の経過や結果から被験者の人格をアセスメントするものである。代表的ものに内田クレペリン精神作業検査がある。
  3. 投影法
    最後に、投影法であるが、いずれも漠然としたどのようにでも解釈できる刺激課題を与え、各個人の反応をみてアセスメントするものである。代表的なものにロールシャッハ検査、TATなどがある。 

心理検査を実施する場合の注意事項について

心理検査を実施する場合共通する問題は大きくわけて4つある。

  • 1つめは、「誰のための検査で、何のために実施するのか」ということである。これらの目的次第で、使用する心理検査の種類も違ってくるし、テストバッテリーの必要性もあり、検査時期も考慮しなければならなくなってくる。ゆえに、検査の実施に先立ち検査目的を明らかにしておくことが必要である。
  • 2つめは、検査場面の設定である。心理検査は検査場面によって影響を受けやすい。従って、検査場所は被験者が安心して快適に検査を受けられる場所であることが望まれる。部屋の環境だけではく実験者と被験者の座る位置にも注意が必要である。また検査者と被験者間の信頼関係の形成も重要であり、実施態度にも注意が必要である。
  • 3つめは、テストバッテリーの際に注意する点であるが、検査者が使い慣れ熟知している検査を中心に考え、検査時間も考慮する。
  • 4つめは、結果の整理と読み方である。手引書の採点法などに従って厳正な立場でのぞみ、記述的な問題を含む場合は独断的な判断は避け、経験者の助言を求めるようにする。検査結果に影響を与える要因について考慮しなければならない。その要因は「検査者」「検査」「被験者」「検査場面」などがあり、それらの分析が有益な情報を提供してくれる場合もある。しかし、検査結果は、ある時点における1つの統制された条件下での情報に過ぎない。

十分にこれらを留意し、総合的な解釈がされるとき、心理検査ははじめて有益なものとなる。