ハルさんが私の人生を助けてくれた話。
情けない親で本当に申し訳ない。ハルにも再婚前提に紹介した彼が失踪した日、ハルさんの前でも涙が止まらなかった。親として失格だ。
事情を話して、第一志望受験2日まえにして、本当にだらしない親である。申し訳ないと謝った。
ハルはなにも言わなかった。
受験当日、「落ちたかも」と言われた時は、本当に自分を呪ったか。こんな人間、親なんかじゃない。
私は、親失格だ。生まれてこなければよかったと全身全霊で自分を否定した。
ここまで自分を否定したのは、生まれて初めてだった。
離婚したときだってここまでは、自分を否定しなかった。相手が悪いんだし。ハル、すまん。
そんな程度だった。その分、幸せにするから、そう思えた。
しかし、今回は違う。
母親が再婚するといっていた相手が失踪し堪えることができず、泣いているのだ。
自分の息子の大事な受験日2日前に。
最低以外の何者でもない。
そして、落ちたかもというハルの感想。私は、我が子さえ不幸にしてしまうのかと息がつまる思いでいっぱいになった。職場ではマスクで涙を隠して仕事をした。
合格発表は翌日で、国家試験のようにインターネットで調べることができる。怖くてみれない。
ハルに電話した。
すると
「あ、受かってたわ」。
もう、涙腺が崩壊した。周りには息子が第一志望に合格したと言い泣き続けた。
あとから、ハルに話をきくと
ここで、自分が第一志望に落ちたら、私自身、私を許せずに死んでしまうのではないか。受かる以外、道はない。
そう思って受験にのぞんだそうだ。
本当にこんなママでごめん。
その話をきいて、また号泣。
こんな最低な親のもとに生まれたことを後悔もせず、有難い。私を苦しめないためにも受かる気でいたと。
ただし、私立なので学費が半端ない。まさか、クビ同然、退職することになるとは思っていなかったので、そっちも大騒ぎだ。
今までは、在宅医療での相談員にこだわってきたが、ハルに学費の心配をさせないようなところで、働こう。どんなことでもする、犯罪以外。
どんな仕事でも、嫌なことも、耐えて行こうと思う。
今回の出来事ほど嫌なこともないと思うけど、それでも、もうあんなことがないように。気をつけながら、自分の仕事のこだわりはハルが大学に入るまでは置いておく。
人間、50になっても本当にやりたいことならできるんじゃないか。そう信じて今は、ハルのためだけに生きてる。
何度も、ハルが大事で大好きで仕方ないと思っていたけど、今回の騒動の中、ハルの気持ちが嬉しすぎて泣けた。
こんな親でごめん。
もうハルの前であんな風に泣かない。
絶対に。もう、何があっても。
ありがとう。