特別養護老人ホームの医師。 歯切れがよく読みやすかった。
医療とまったくかかわるなという意味ではなく、死に際して、過度な医療依存はいかがなものかという問題提起という風にとらえた。
人が死ぬことは当たり前で、苦しみから逃れたいというのであれば、こんな方法がありますよというひとつの選択肢として考えておいていいだろう。
超高齢者社会となった日本での死因の第一位は癌だ。
老いて、がんになるのは、仕方ないことだという医師の立場や、延命についての考え、著者が伝えたことはまだあったかもしれないが、我々が、今、考えることは何か、見つめなおすきっかけになる。
将来、自分に死が寿命として近くなってきたとき、読んでおいてよかったなと思うかもしれない。
そんな本。 個人的に共感した部分は、P129から数ページ。死とは直接関係ないのだが、私もよく考えることなので、 楽しく読ませてもらった。
安易な「心のケア」について書かれてある。
介護の世界でも傾聴という言葉はある意味キーワードだ。でも、傾聴ってなに?きいてればいいの?寄り添うってなに?うんうんとその人の気持ちになって話をきくこと?私は答えをみつけてない。そこを著者の考えでバッサリきっているあたりが気持ちよかった。 中に、死ぬ前に示しておくとよいとされる事前指示書(自分の死に際する)についての見本があるので、あとで私なりにまとめてみようと思った。 楽しかったです。