40歳からのブログ MSWの日常

ソーシャルワーカー備忘録。雑記。旅行記。軽く福祉。

社会福祉士に人気の医療ソーシャルワーカーって仕事とは MSWの一日 回復期編

前回、こんな話を書きました。医療ソーシャルワーカー(MSW)が社会福祉士を目指す人に人気らしいということを知り合いにきいたので、そんなものか?と中堅病院、急性期のMSWの一日についてでした。

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 でも、病院ってみんな一緒だと思っていたら大間違いです。今日は回復期のMSWの一日について書いてみたいと思います。

そもそも回復期とか急性期とかってなんなの?

MSWを目指す人なら釈迦に説法なのですが、MSWさんっていろんな病院にいます=それぞれ病棟(病院の種類みたいなもの)によって役割が違います。

なんとなくのイメージとしては急性期は救急車がとまる病院。回復期はリハビリをする病院だと思ってもらっていいかもしれません(厳密には違います)。

ここでいう回復期とは回復期リハビリテーション病棟のことを指します。

回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患または大腿骨頚部骨折などの病気で急性期を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とした病棟です。引用元:一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会

脳梗塞などの疾患により急性期病院に入院した人がリハビリ目的で入院する病院という認識でいいと思います(詳しく知りたかったら今は調べてください。そのうち要望が多かったらブログに書きます)。

その回復期リハビリテーション病棟のMSWの一日について書いてみたいと思います。新人MSWさんようの話です。

先に言いますが、回復期のMSWの役割はなにがなんでも患者さんを自宅に戻すことです。

一日の流れ

8:30 朝の送り MSWみんなで行う

朝の送りは何より大事。誰が入院希望の患者家族と面談するか、ベッドの空き具合はどうかなどを一斉に確認します。回復期はベッドが満床であることが絶対使命であるのでそうした話をします。病院によって前方支援と後方支援に分かれています。

前方支援

入院の受け入れ担当

後方支援

入院後から退院までを担当

前後方支援両方を一人で行う病院もあります。私はどちらもやったことがあるので、今回は後方支援だけするMSWの日常に的を絞ります。

9:00 病棟での朝の申し送り

自分の受け持ちの病棟の朝の送りに参加します。全てが担当患者さんだったりするので、異変がなかったか様子などを聞き逃さないようにします。医師・リハスタッフ・看護師・ケアスタッフの話がきけるので重要な時間です。

9:30 面談やらカンファレンスやら・・・

もうこの辺りから、帰りの申し送りまで一気にとにかく動き回ります。決められた時間は家族面談です。回復期リハビリテーション病棟はたいてい、家族面談が月に一回あって医師とリハスタッフもしくはMSWが入院してから一ケ月でこれくらい運動能力があがったなど進捗情報について説明します。やらないといけないことはいろいろあります。

  • 家族面談
  • 退院する場合は自宅環境調査(家屋調査といいます)
  • 必要であれば福祉サービスの調整
  • リハスタッフとの打ち合わせ

17:30 夕方の申し送り

これから夜勤の時間に入るので、夜勤スタッフにも申し送りがあります。それと同時にみんなで患者さんの情報共有です。

18:00 結局どこにいるかわからない

たいてい病棟にいます。患者さんと話をしたり家族と話をしたり、リハスタッフと話をしたり・・・。どこかで話をしています。個人プレーは一切ありません。自分の持ってる患者さんがどこまでリハビリが進んでいて、自宅に帰れる時期はいつかということにアンテナをはっています。もちろん、定時以降はサービス残業です。いい加減、腹が立って病棟師長に直談判に行って残業代をつけてもらったくらいです。

改めて考えてみると回復期のほうが病院によって動きが違う

回復期と言ってもこれにも種類があって、ざっくりいうとリハ1、2、3(3ってあんまりないんだけど)と種類があります。なので、1、2によってMSWの動きが異なってくると思います。今回は回復期リハ1の病院のMSWの一日を書いてみました。病院によって本当に違うんです。とにかく走る!話す!そんなアクティブな病棟であることは間違いありません。

知っておいたほうがいい知識

clinicalsup.jp

私はこのページはざっくり覚えました。特に「通知」の部分。ここまで覚えるMSWは少ないかもしれませんが、ある程度意味がわかるといいのではないかと思います。急性期にいたころは薬の知識が増えましたが、ここではFIM*1と言って患者さんがどれだけ介護状態から自立に向かって回復しているか図るスケールと言いますか、そんなものを覚えることになりました。今は忘れてしまったけど、回復期のMSWさんなら知っておいて損はない知識です。

まとめ

回復期リハビリテーション病棟のMSWの一日をまとめてみようと思ったらいい感じにまとまりませんでした。ただ、前述したとおり、回復期リハビリテーション病棟のMSWの役割は何がなんでも患者さんを自宅に返さないとなりません(返さなくても本来はいいんだけど、大人の事情により絶対に返すことを前提として動きます)。

朝・夜の申し送り以外の業務はその絶対使命のために動き回ることになります。

いろいろと言いたいことはありますが、MSWさんによってはチーム医療に燃えているようです。チームという言葉が大好きな人たちが多いのも特徴の一部です。動けない患者さんが回復して自宅に帰っていく姿はとても感動します。だいたい2~3か月以上はかかわりを持つし、患者さんが亡くなることはほとんどありません。そこにやりがいを感じる人は多いようです。でも、急性期のMSWのほうが人気があるようです。私は急性期も好きだったし、回復期も好きでした。あと、医療療養型病棟と緩和ケア病棟のMSWさんの日常は違います。また気が向いたら書いてみたいと思います。

*1:機能的自立度評価法(Func tional Independence Measure