ハルさんが欲しいというので、「君の膵臓を食べたい」という本を買いました。
私がこの本を手に取った経緯
この本が出版されたころ、私は通信で臨床心理士をとるための大学に通っていた。そのゼミで一緒だった友達に「これ、キミ好きそうだよね」と読書をお勧めした本だった。そして私は実際に読まずに数年きてしまっていた。
たまたま定期購読の漫画があって本屋に入ると、ハルさんがこの本を持ってきた。
ハルさんが本を読みたいということはそうそうないので、すぐに購入。
ハルさんはこの本を何回も読んだ。
1週間もたったある日ハルさんが
「ママも読む?」
いまさらなんだけど、映画化されるってこともあるし話題の一冊であるならぜひ読んでみるよ。
作品についてざざっと・・・
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。 それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。 そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて——。双葉社より引用
手に取り数ページを開く。
多分、主人公の男の子が亡き恋人に対して「君の膵臓が食べたい」といったのだろう。そんな風に思って読み進めていった。
興味をひかれたのは、彼らの旅行先
彼は彼女のいきなりの提案で小旅行に付き合わされるが、その旅行先がどこなのか・・・多分九州かな?と思ったけど、土地勘のない私にはわからなかった。
高校生のくせにかなりいいホテルに泊まったようで、そのホテルの浴室には内側から鍵がかかるようになっているという。そんなボテルがとんこつかおる街に存在するのか・・・。「君の名は」みたいにその土地を追えるのかもしれないな~って思って楽しかった。
驚いたのは主人公の男の子の語彙力
作者があえてそうしたんだろうけど、ところどころ、読むのに難しい単語など出てきて、文学少年であることを印象付けているのか少し戸惑った。少なくとも、主人公の僕は夏目漱石や芥川龍之介などは全部読み漁っているのではないかと思われた。なんとなくオレ文学少年を気取ってる感があってこういう話し方する男子を高校生の私は好きにならないだろうと思った。
桜良とキョウコならどっちがいい?
これはハルさんにきいたこと。この作品には女の子が2人でてくるんだけど、ハルさんに女性の好みとして聞いてみた。
「付き合うならどっち?」
ハルさんもさすがにこうした私の質問には驚いたようで少し黙ったあと照れくさそうに
「キョウコは嫌だよね・・・こわすぎるもん」
とぼやいた。それをきいて私はハルさんのタイプはキョウコだろうな・・・・と思った。
読後、きっとこのタイトルに涙する。かどうか
余命いくばくもないヒロインと主人公の物語。
私は読んだ後、少し涙が出た。その前に、「は?」という悪い意味の裏切られ方をするのだけど、言いたいことはわかったから。
余命いくばくもない彼女が言いたかったことは私たちの日常にも当てはまるもので、そのとおりだねと素直に頷けた。もう一回読めばタイトルに涙できるのかどうかわかるのだと思うけど、ハルさんがまだまだ同じ本を読むつもりでいるようなので再読はしない。
すんなり2時間もあれば読めてしまう小説。涙もホロリと落ちる。この作品から、何を得るのかは人それぞれ。主人公の成長過程を楽しむことができそれは楽しい。
ハルさんは
「人間は明日も生きているとは限らない。注意しろ。」
そういう意味の本だと言っている。
映画化されるが映画予告をみてみるとだいぶ、小説と映画のストーリーは違うような気がする。
爽やかな涙をすっと流したい人におすすめだ。有川浩の小説が無性に読みたくなった。